「使い捨て」は手抜きじゃない。キッチンペーパーと保存袋への罪悪感を手放し、「時間を買う」と決めた日

「使い捨て」は手抜きじゃない。キッチンペーパーと保存袋への罪悪感を手放し、「時間を買う」と決めた日

家事の負担を減らすため、使い捨てアイテムへの罪悪感を「時間を買う投資」と捉え直した体験記。

キッチンのゴミ箱がいっぱいになるたび、胸がチクリと痛む時期がありました。

料理で使ったキッチンペーパー、食材を小分けにしたフリーザーバッグ。

それらが積み重なっていく光景を見るたび「また、もったいないことをしてしまった」という罪悪感が、心の底に澱のように溜まっていくのです。

あの日の「もったいない」が、私を縛り付けていた

パートから帰り、子供たちの「お腹すいた」コールが響く中、夕飯の支度に取り掛かる毎日。

コンロに飛び散った油、ハンバーグをこねた後の手の汚れ。

以前の私は「布巾を洗って使うべき」という考えに縛られていました。ですが、湿った布巾は衛生面が気になります。かといって、毎日何度もハイター消毒する手間も時間もありません。

結局、手軽なキッチンペーパーに手が伸びます。

ギトギトのフライパンの油を拭き取り、コンロを磨き、床の食べこぼしを拭う…。

あっという間にゴミ箱はペーパーでいっぱいです。

それを見るたびに、幼い頃に言われた「物を大切にしなさい」という言葉や、雑誌で見る「丁寧な暮らし」が頭をよぎり、「私は手抜きをしているダメな主婦だ」と自分を責めてしまうのでした。

フリーザーバッグも同じです。

一度野菜を入れただけのものを捨てることに抵抗があり、洗って乾かそうと試みる。

けれど、狭いキッチンで袋を乾かす場所はなく、シンク周りがごちゃつき、余計なストレスが増えるだけ。

「もったいない」という気持ちと「家事の負担を減らしたい」という現実。その板挟みで、私はずっと苦しんでいたのです。

「時間を買う」という、新しいものさし

そんな考えが変わるきっかけは、本当に些細なことでした。

きっかけはドラッグストアでの出会い

ある日、疲れ果てて布巾を除菌する気力もなかった時、ドラッグストアでふと目にしたのが、洗って繰り返し使える、使い捨てのカウンタ―クロスでした。

例えば、ニトリの製品ページで見かける(カット式台ふきん)のような、洗って繰り返し使えるタイプのものです。

思い切って布巾をすべて処分し、それを使ってみたのです。

結果は、想像以上のものでした。

「布巾を洗う」という毎日のタスクが消えただけで、心が驚くほど軽くなったのです。衛生面での不安からも解放されました。

大げさかもしれませんが、あの時はまさに「世界が輝いた」ように感じたものです。

罪悪感は「投資」に変わった

そこで私は気づきました。

これは「手抜き」や「怠惰」なのではなく、「時間を買う」ための賢い選択なんじゃないか…と。

私がキッチンペーパーや使い捨てクロスに支払っているのは、単なるモノの代金ではありません。

  • 布巾を洗う。
  • 乾かす。
  • 消毒する手間。

その時間と、衛生面を気にする精神的なストレスから、自分を解放するための「投資」だったのです。

そう考え方を変えてから、使い捨てアイテムを使うことへの罪悪感は、少しずつ薄れていきました。

「もったいない」を解消する、小さな工夫

とはいえ、資源を無駄にしている感覚が完全に消えたわけではありません。

そこで、罪悪感を持ちすぎないために、私なりの簡単なルールを決めました。

キッチンペーパーは「使い倒す」

一枚のペーパーも、最初は食器を拭き、次にテーブルを拭き、最後はコンロ周りや床の汚れを拭き取ってから捨てる。

こうすることで、「使い切った」という納得感が生まれます。

ちなみに、この『使い倒し』をストレスなく実践するには、濡れても破れにくい、少し厚手のキッチンペーパーを選ぶのがおすすめです。

個人的にDCMブランド クッキングペーパーがオススメです。蒸し料理、食品の保存、油こし、掃除と使える幅が広くて重宝します!

水に濡らして台拭き代わりに使ってもボロボロになりにくいので、一枚で何度も活躍してくれて、罪悪感なく最後までしっかり使い切れますよ。

フリーザーバッグは「掃除」に再利用

汚れの少ない野菜などを入れた袋は、捨てずに取っておきます。

そして、排水口の掃除など、触りたくない場所の掃除をする時に、手袋代わりにして使うのです。

掃除が終われば、袋を裏返してそのままゴミ箱へ。手を汚せずに済み、再利用もできて一石二鳥です。

一枚のペーパーがくれた、穏やかな時間

今でも、キッチンのゴミ箱はすぐにいっぱいになります。

けれど、そこに積み上がるのは、もう「罪悪感」ではありません。

それは、私が自分の時間と心の余裕を確保するために、主体的に「選択」した結果です。

「布巾を洗わきゃ」という焦りがなくなった夕方。油汚れもサッと拭き取れる安心感。

そうして生まれたほんの数分の余裕が、子供の話を笑顔で「うんうん」と聞く時間につながっている。

罪悪感を手放してみたら、そこには以前より少しだけ穏やかな気持ちで過ごしている自分がいました。