パートから帰り息つく間もなく家事をしても、3秒で散らかる部屋。
報われない苦しさに心が折れそうでした。
そんな私が「完璧な家事」を手放し、自己嫌悪を克服。散らかる家で心の平穏を取り戻すまでの実体験を綴ります。
「私だけが頑張ってる…」孤独な戦いを終わらせた、小さな気づき
- コンロの火を気にしながら、散らばるおもちゃを足で寄せる毎日。
- 畳んだ洗濯物のそばで、こぼされるオレンジジュース。
- その横で、ソファに寝そべりゲームの音を響かせる夫。
「どうして私だけ…」
「私がもっと頑張れば、綺麗になるはず」
そう信じて掃除をしても、すぐに汚される虚しさ。
夫に協力を求めても、どこか他人事で、中途半端な手伝いが逆にストレスになっていました。
いつしか「家が汚いのは、全部私のせいだ」「だらしない母親だと思われている…」
そんな自己嫌悪に、心を支配されるようになっていたんです。
「完璧な母親」という呪いを解いた夜
ある日の夜中、ふと目が覚めて、子どもたちの寝顔を見ていたら涙がこぼれました。
「私、一体何と戦っているんだろう…」
イライラして子どもを叱ってばかり。心に余裕がなくて、夫にも優しくなれない。
私が本当に守りたかったのは、完璧な部屋ではなく、家族との穏やかな時間だったはず…。
そう気づいた瞬間、長年自分を縛りつけていた「完璧」という呪いから、少しだけ解放されたような気がしたんです。
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私が始めた、たった3つの「やらないこと」
その日から、私は家事を完璧にこなすことを意識的に手放すことにしました。
汚部屋からの脱出は、何かを「頑張る」ことではなく、むしろ何かを「やめる」ことから始まったんです。
1. モノの「住所」を決めて、迷子にしない
まず手を付けたのが、リビングに溢れるおもちゃや書類でした。
一つひとつのモノに「ここがあなたの住所だよ」と教えるように、定位置を決めていきました。
なぜなら、モノの住所が決まっていれば、散らかっても「元の場所に戻すだけ」になり、頭も心も疲れなくなるからです。
「住所に戻せないモノは、今の我が家には必要ないのかもしれない」と、少しずつ手放す勇気も湧いてきました。
2. 「ついで掃除」で、“掃除の時間”をなくす
次にやめたのが「さあ、掃除をしよう!」とわざわざ時間を作ることでした。
- 歯を磨きながら、洗面台をさっと拭く。
- お湯を沸かす待ち時間に、コンロ周りの油汚れを落とす。
- 寝室へ向かうついでに、廊下に落ちているモノを拾う。
このように、何かの「ついで」に掃除を組み込むことで、わざわざ掃除の時間を作る必要がなくなったのです。
この小さな習慣の積み重ねが、心の余裕に繋がっていきました。
3. 家族を「変えよう」と期待しない
これが一番、効果があったかもしれません。
夫や子どもに「片付けて!」と感情をぶつけるのではなく、彼らが自然と片付けたくなるような、小さな「仕掛け」を試すことにしたんです。
「どうして片付けてくれないの?」と相手を責めるのではなく「どうすれば、片付けの心理的ハードルを極限まで下げられるだろう?」…と、問いの立て方を変えてみたのです。
例えば、子どもがおもちゃを放り込んでしまう箱には、中に入れるモノの写真を貼っておく。
夫がいつも服を脱ぎっぱなしにするソファの横には「とりあえずここに入れて」という気持ちを込めて、おしゃれなカゴを置いてみました。
すると、あれほど言っても聞かなかった夫が、自然とカゴに服を入れるようになったのです。
「片付けなさい」という言葉での正面衝突を避ける、賢い迂回ルートを見つけた瞬間でした。
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散らかった部屋で、ようやく見つけた本当の宝物
完璧な家事を手放した今も、家が散らかる日はあります。
でも、以前のように「家が汚いのは私のせいだ」と自分を責める私が、もうどこにもいないのです。
完璧じゃない自分を許した先に、家族と笑い合える穏やかな時間が待っていました。